インデックスファンドは 1 本で十分 ── 3 ファンド並べても結局オルカンか S&P500 になる理由
NISA で何買えばいいか迷ってる人へ。オルカン・S&P500・先進国株式の 3 ファンドを並べて中身を見ると、3 つとも米国中心・上位 9/10 銘柄が重複。だから 1 本で十分。実質はオルカン or S&P500 の二択に収束する話。
NISA で何買おう、と迷ってる時に「分散のためにオルカンも S&P500 も先進国も全部買えば安心」と思った ── そういう人、いますよね。
今日はそういう人向けに書いていくね。
結論を先に言っちゃうと、3 ファンド並べても、選ぶのは結局オルカンか S&P500 の二択になる。1 本で十分なんだよね。
理由はシンプルで、信託報酬の差は誤差、中身は 3 つとも米国中心、上位 10 銘柄のうち 9 銘柄が重複してるから。読み終わるまで 5 分。
3 ファンドの「肩書き」だけ並べると、3 つに見える
NISA の主力候補は、ざっくり 3 つ。
- オルカン(全世界株式・eMAXIS Slim オール・カントリー など)
- S&P500(米国の主要 500 社・eMAXIS Slim 米国株式 など)
- 先進国株式(米国 + 欧州 + その他先進国・eMAXIS Slim 先進国株式インデックス など)
名前だけ見ると「全世界 / 米国 / 先進国」で全然違うものに見えるよね。だから「分散のために 3 つ全部買えば安心」と思いやすい。
でも中身を並べると、印象がだいぶ変わるんだよね。
信託報酬の差は誤差レベル
まず信託報酬(運用コスト)から。eMAXIS Slim シリーズの 2026 年最新値:
| ファンド | 信託報酬(年率) |
|---|---|
| S&P500 | 0.0814% |
| 先進国株式(除く日本) | 0.0989% |
| オール・カントリー | 0.05775% |
[出典: 三菱UFJ国際投信 eMAXIS Slim 公式]
差は最大でも 0.04% 程度。月 10 万円積み立てた場合の年間コスト差で見ると、年 480 円 ── 1 ヶ月分のコンビニコーヒー程度なんだよね。だから実質、信託報酬で選ぶのは決め手にならない。
構成比 ── 3 つとも米国中心
ここが一番大事なところなんだけど、
3 ファンドの地域別構成を並べてみると、
- S&P500:米国 100%(500 社全部米国)
- 先進国株式(除く日本):米国 約 70% + 欧州・他先進国 約 30%
- オール・カントリー:米国 約 60%(厳密 64.5%・先進国 22 カ国中で米国 1 国だけ)+ 米国以外の先進国 約 30% + 新興国 約 10%
[出典: 楽天証券 全世界株 vs 米国株 / オカネコ オルカン構成比]
つまり、3 つとも中身の半分以上が米国の会社なんだよね。「全世界」「先進国」と書かれていても、実態は米国中心。
下の図は、3 ファンドの地域別構成を並べたもの。
上位銘柄は 9/10 が重複
さらに、保有している会社で見てみる。
オルカンと S&P500 を比べると、上位 10 銘柄のうち 9 銘柄が同じ。Apple・Microsoft・NVIDIA・Amazon・Google・Meta などの米国大型テック企業が、両方のファンドの上位を占める。
[出典: am-expo オルカン vs S&P500 比較]
これは「異なるファンドを買って分散したつもりが、実は同じ会社をダブって買ってる」状態。3 つ買って分散、と思っても、構成上の分散効果はほぼ追加されないんだよね。
そもそも「分散投資ってなぜ大事?」「1 本でも分散になるの?」みたいなところに引っかかったら、こっちを先に読んでみて。
→ 分散投資って何?
だから 1 本で十分
ここまで並べると、結論はシンプルだよね。
- 信託報酬:ほぼ同じ → 決め手にならない
- 構成比:3 つとも米国中心 → 分散効果が限定的
- 上位銘柄:9/10 重複 → ダブって買うだけ
→ 選ぶのは 1 本で十分。
そして実質は 「オルカン or S&P500」の二択に収束する。先進国株式は構成上 S&P500 とかなり重複が大きいから、間に挟まる中途半端な位置になりやすくて、あえて選ぶ意味は薄いかな。
どう選ぶか ── 米国優位を信じるか、失脚に備えるか
オルカン or S&P500、判断軸は 2 つだけ。
- S&P500 を選ぶ判断:米国の経済成長を当面信じる・米国比重を最大化したい
- オルカンを選ぶ判断:米国の失脚リスクに備えて、新興国・他先進国にも保険をかけたい
どちらも「長期で続ければ大きく外れることは少ない」インデックスファンド。違うのは「米国に賭ける濃度」だけ。
「両方買う」も可能だけど、上位 9/10 が重複してるから分散効果は限定的なんだよね。シンプルに 1 本選んで、それで NISA 枠を粛々と埋める方が、判断コストも下がるよ。
米国一強は永遠か?
ただ、ここは冷静に書いておきたいんだよね。
2010 年代以降は確かに 米国一強の時代で、S&P500 が他地域を大きくアウトパフォームしてきた。GAFAM の成長が牽引した形。
[出典: 楽天証券 全世界株 vs 米国株]
でも 1970 年以降を振り返ると、日本株が主役の時代・新興国株が主役の時代もあったんだよね。米国一強がずっと続いてきたわけじゃない。
つまり「米国優位は現時点で最も確からしい流れ」だけど、永遠とは限らない。これを認識した上で、どこに賭けるかを自分で選ぶ感じかな。
この項目を読んで、あなたがもし不安になったのなら、オルカンを選んだほうがいいと思うよ。
自分は S&P500 を選んでる
個人的には S&P500 を選んでるよ。
理由は 2 つ。
1 つ目は、オルカンも米国比重が 60% だから、S&P500 との実質差が大きくないんだよね。「全世界に分散したつもり」が、ほぼ「米国に分散」になる構造。それなら最初から米国 100% で良い、という判断。
2 つ目は、資本主義の構造と AI の進展を見ていると、当面は米国優位が続くと現時点では信じられるから。経済力も技術力も、米国が中心であり続けるんじゃないかな、という見立て。
ただ、これは自分の世界観に基づく判断。「米国の失脚が心配」という人にとっては、オルカンの方が安心して長期保有できると思う。判断は自分の世界観ででいい。
やらない時間も、無料じゃない
「どれを買うか迷ってる時間」が、複利のスタートを少しずつ後ろにずらしてるんだよね。
煽るつもりはなくて、数字を並べるとそう見えるだけなんだけど。
もし試すなら、今日できることは 1 つだけ。
オルカン or S&P500 を 1 本決める。それだけ。
あとは自動引き落としで積むだけ、で OK。
→ 自動引き落としで投資が続く理由 ── クレカ積立は意思決定を捨てるための装置 → オルカンと S&P500、何が違う?(glossary) → 成長投資枠の使い方は「配分」で決まる → NISA 1,800 万「満額埋め」は焦らなくていい → インデックスファンドって何?