取り崩しって何から始める?──増やすの次の「誰も教えてくれない話」
増やす話の次に来る「取り崩し」を入門から。崩す順番(現金→課税口座→NISA)で手元に残る額が変わる・NISAは最後に温存・定額か定率かで資産寿命が変わる。30代で地図を持つと積立が続く理由。
この記事の楽しみ方
お金、ちゃんと増えてきた。じゃあ「使う」ときは何からやればいいの? ── そこでピタッと止まる人、いますよね。
相談を受けてると、面白いことに気づく。みんな「増やし方」はめちゃくちゃ調べてるのに、「使い方」=取り崩しの話になると、いきなり手が止まるんだ。
それもそのはず。世にあふれてるのは「どう増やすか」の情報ばかり。「増やしたあと、どう使うか」を正面から説明したものは、なぜか少ない。
でも、むずかしくはない。最初に押さえるのは「順番」だけ。考え方は3分で掴める。
読み終わるまで7分。今すぐ崩す必要はないんだ。「いつか使うとき」の地図を1枚、持って帰ってもらえれば十分。
そもそも「取り崩し」って?
取り崩しは、貯めて増やしたお金を、必要な分だけ現金にして使っていくこと。
投資って「買う」イメージが強いけど、いつかは売って現金に戻す日が来る。老後の生活費にするにせよ、大きな買い物をするにせよ、最後は使うために現金化する。買って終わりじゃなくて、「どう使うか」まで含めて投資なんだよね。
→ 取り崩しって何?
なぜ「使う前」に知っておくと得なのか
「まだ何十年も先の話でしょ」と思うかもしれない。でも、増やしてる今こそ知っておく価値がある。
理由はシンプル。お金を増やしてるのは、いつか使うためだから。ゴール(出口)の形が見えてると、「なんのために積み立ててるんだっけ」が腹落ちして、途中でやめにくくなる。
ゴールの見えないマラソンは続かない。でも「42キロ先にゴールがある」と分かってれば、ペースを保てる。取り崩しを先に知るのは、ゴールテープを先に見ておくようなものなんだ。
順番で手元に残る額が変わる
ここが今日いちばん大事なところ。
お金を置いてある場所は、ふつう1つじゃない。現金・預金、特定口座(利益に税金がかかる口座)、NISA(利益に税金がかからない口座)…。どこから先に崩すかで、最後に手元へ残る額が変わってくる。
ざっくり言うと、こういう順番が「税金の面でトクになりやすい」と一般に言われてる。下の図に、その順番を整理した。
ポイントは1つだけ。
なぜかというと、NISA の中で増えた分には税金がかからないから。長く置くほど非課税の恩恵が大きくなる。一方で、特定口座(課税口座)の利益には 約20%(正確には20.315%)の税金がかかる。だから、税金がかかる方から先に使って、かからない NISA は最後まで取っておくのが合理的になりやすいんだ。
ひとつ注意。これは法律で決まった手順じゃなくて、税金の効率で考えたときの「一般的な目安」。それと、すぐ使えるお金(生活防衛資金)は、口座の種類に関係なく、数年分は現金で確保しておくのが前提だね。
「定額」か「定率」か
崩し方にも、大きく2つの型がある。
- 定額:毎月「◯万円」と金額で決める。生活の予定が立てやすい
- 定率:毎月「残高の◯%」と割合で決める。残高が減ると出す量も自動で減るから、お金が長持ちしやすい
どっちが正解ということはなくて、それぞれに長所と短所がある。ここで効いてくるのが「資産寿命」=持ってるお金が何年もつか、という考え方。崩すペース(率)が低いほど、寿命は延びる。
→ 資産寿命って何?
ちなみに海外には「年4%くらいなら長く持ちやすい」という有名な目安もあるけど、日本は公的年金がある分、前提がちょっと違う。そこは別の機会に。
全員が「今すぐ」やる話じゃない
ここまで読んで、「結局、今の自分は何をすれば?」と思った人へ。
取り崩しは、リタイアが近い人がいよいよ実行する話。30〜40代が今すぐ崩し始める必要はない。
でも、「いつか使うときの地図」を1枚持っておくと、強い。出口の形が見えてると、目の前の積立をなぜ続けるのかがブレないし、いざ使う段になって慌てない。「先に知っておく」こと自体が、長期投資の武器なんだ。
今日できる1個
崩す練習は、まだいらない。今日やるのは、これだけ。
自分のお金が「どの口座に、いくらあるか」を1枚に書き出す。
現金・預金、特定口座、NISA…。場所ごとに、ざっくり書くだけでいい。これが、いつか取り崩すときの「地図」の下書きになる。出口が見えると、増やしてる今が、ちょっと楽しくなるはずだよ。
もっと深く知りたくなったら
- 取り崩しって何? ── 言葉の意味だけサッと
- 資産寿命って何? ── お金が「何年もつか」の考え方
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