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— 投資 / お金 · 2026.07.02 · 6min

必要保障額って結局いくら? ── 「なんとなく3000万」をやめる出し方

「保険はなんとなく3000万」で決めていないか。必要保障額は『遺族に要るお金 − すでに入ってくるお金(遺族年金・貯蓄)』の引き算で出すもの。2026年度の遺族年金額と生命保険の平均を一次情報で確認しながら、自分の必要額の考え方を渡す入門記事。

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必要保障額って結局いくら? ── 「なんとなく3000万」をやめる出し方

「結局、保険っていくら入ればいいの?」── そこで止まってる人、いますよね。

今日はそういう人向けに、必要保障額(=もしものとき、遺族に要るお金)の出し方を書いていく。先に言っておくと、答えは「なんとなく3000万」じゃないんだ。

社会人になりたての頃、初めて生命保険の営業を受けた。まだ誰かを養っているわけでもない時期だったのに、担当の人はこう言った。「自分に何かあったとき、親御さんに迷惑をかけないのが親孝行ですよ」「今の年齢なら保険料もかなり安い。若いうちに知れてラッキーでしたね」と。

いい人そうだった。でも今振り返ると、あの話には肝心の「私にいくら必要か」が、一度も出てこなかったんだよね。

数字で見ると、世帯の死亡保険金額の平均はいま約1,936万円。しかも、下がってきている(2024年度調査)。「みんな3000万くらい入ってる」というイメージの方が、実態より盛られてるんだ。

[出典: 生命保険文化センター 2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査]

必要額は、実は引き算1本で出る。「遺族に要るお金」-「すでに入ってくるお金」。この差額だけを保険で埋めればいい。読み終わるまで5分。保険を見直すかどうかは、その後で決めてもらえれば。

なぜ「なんとなく3000万」になるのか

理由はシンプルで、多くの人が「額の出し方」を教わっていないからなんだ。

そして、教わる相手を間違えやすい。保険の営業の話は、基本的に「必要か不要か」ではなく「契約するか否か」が軸になっている。悪い人という意味じゃなくて、そういう仕事だからだね。

だから「親御さんが困りますよ」「若いうちが安いですよ」と、契約に向かう言葉は出てくる。でも「あなたの場合、公的な保障を引いたら、足りないのはこれくらいですよ」という引き算は、あまり出てこない。

結果、根拠のふわっとした「3000万くらい」が独り歩きする。まず疑うのは金額そのものじゃなくて、その額がどうやって出たのかなんだ。

相談で毎回引っかかること

資産形成の相談に乗ることがある。子育て世帯でよくあるケースだと、こんな状態を何度か見てきた。

小さい子がいて、住宅ローンも始まったばかり。守るものが一気に増えて、不安がいちばん高まる時期だ。そこで民間の保険にしっかり入っている。ここまではいい。

引っかかるのは、付いているFPが公的な保障(遺族年金)にほとんど触れていないことが多い、という点なんだよね。

理由は想像がつく。悲観的な気持ちにならないと、保険は契約してもらえないから。もちろん、必要な危機感というのはある。守るものがある人が備えるのは正しい。ただ、もらえるものを伏せて不安だけを積み上げるのは、フェアじゃないと感じる。

必要保障額は「引き算」で出す

じゃあ、どう出すか。式はこれだけ。

必要保障額 =「遺族に要るお金」−「すでに入ってくるお金」

  • 遺族に要るお金:これからの生活費・子どもの教育費・住居費など
  • すでに入ってくるお金:公的保障(遺族年金)・残された家族の収入・貯蓄・会社の保障

要るお金から、入ってくるお金を引く。残った差額 ── そこだけを民間保険で埋めればいい。全部を保険でまかなおうとするから、額がふくらむんだ。

下の図は、その引き算を1枚に整理したもの。

図:必要保障額の引き算。左の『遺族に要るお金(生活費・教育費・住居費)』から、真ん中の『すでに入ってくるお金(遺族年金・家族の収入・貯蓄・会社の保障)』を引き、右に残った差額だけを『民間保険で埋める部分』として示すインフォグラフィック。
図:必要保障額は「要るお金 − 入ってくるお金」の差額

入ってくるお金の筆頭 ── 遺族年金を知る

引き算の「入ってくるお金」で、いちばん見落とされるのが遺族年金だ。ここを知らないと、必要額は実態よりずっと大きく見える。

ざっくりだけ押さえておく。まず遺族基礎年金は、「18歳になった年度末までの子」がいる家庭に出る。2026年度(令和8年度)だと、基礎部分が年間で約84.7万円、そこに子1人あたり約24.4万円が乗る。つまり ──

  • 子が1人なら:年 約109万円
  • 子が2人なら:年 約133万円

[出典: 日本年金機構 遺族基礎年金]

これに、会社員・公務員の家庭なら遺族厚生年金が上乗せされる(金額は働いた期間や収入で変わる)。逆に、自営業・フリーランスは遺族基礎年金だけで、子がいなければ受け取れないこともある ── ここが手薄になりやすいポイントだね。

数字は年度ごとに改定されるし、家庭の状況で変わる。ここでは「けっこうな額が入ってくる」という感覚だけ持ち帰ってくれればいい。正確な最新額は「遺族年金」「日本年金機構」で確認してほしい。

他人の「3000万」を借りない

ここまで読んで気づいたと思うけど、必要保障額は家庭の形でまるで違う

まだ誰かを養っているわけでもない時期なら、死亡保障の必要性はぐっと低い(社会人なりたての私が、まさにそうだった)。逆に、小さい子がいて収入の柱が1本なら、厚めに要る。同じ人でも、子が独立すれば必要額は下がっていく。

だから、他人の「3000万」を借りてこない。自分の引き算をする。それだけで、払いすぎも、備え不足も、どちらもかなり防げる。

守りが固まると 投資に進める

最後に、投資の話に少しだけつなげておく。

守りが心細いままだと、もっと値動きの大きい株や投資信託なんて、とても考えられない ── これはすごく自然な感覚だと思う。不安な土台の上に、リスクは積めないんだ。

だからこそ順番として、守りの土台(必要保障額の考え方)を先に置く。ここが「これで大丈夫」と分かると、余ったお金を落ち着いて投資に回せるようになる。守りと攻めは、対立じゃなくて順番の話なんだよね。

**【他人の額ではなく、自分の引き算で】**

今日の一歩

根拠のない額のまま保険料を払い続けると、その分は投資にも回せたはずのお金でもある。煽るつもりはなくて、引き算をすると、そう見えるだけなんだ。

もし動くなら、今日できることは1つだけ。

「遺族に要るお金」と「入ってくるお金(まず遺族年金)」を、ざっくり紙に書き出してみる。それだけで、「自分の場合いくら足りないのか」の輪郭が出る。

保険・年金・貯蓄・住宅をまとめて自分の数字で見たいときは、この記事の下にある無料の「資産形成 健康診断」で一気に確認できる。

守りの土台が見えたら、次は攻め側だ。

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